地球温暖化の被害

昨今の気候の異常さを地球温暖化の影響と考え、心配になる人は多いと思います。今すぐに温室効果ガスの排出を全て止めても、気候が安定するまでに数十年かかる地球というシステムの振舞いを思えばなおさらですね。


地球温暖化の被害をどう予測するのか?
米国でも、日本でも、科学者による予測が発表されています。


米国では、ブッシュ前政権により公表を握り潰されていた気候変動による影響に関する報告書が6月に公表されました。


米で気温上昇や豪雨 温暖化の影響報告で公表
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/102791


報告内容のアウトラインが以下のサイトに紹介されていますが、このまま温室効果ガスを出し続ければ、アメリカにおける気温は今世紀末までに現在より摂氏約13度から20度も上昇し、排出量を削減できたとしても、現在より摂氏約7度から12度は気温が高くなると予測しているそうです。


ホワイトハウスより警告発信!気候変動の対策は、「今」が肝心
http://greenz.jp/2009/07/23/climate_change_impacts_us_report/


一方、国内でも環境省地球環境局総務課研究調査室が去年5月と今年5月に予測を公表しています。


温暖化による長期的影響やはり深刻
http://scienceportal.jp/news/review/0906/0906011.html


地球温暖化「日本への影響」-長期的な気候安定化レベルと影響リスク評価-
http://www.nies.go.jp/whatsnew/2009/20090529-2/20090529-2.html


CO2の排出が削減できた(先進国が90年比で25%〜40%の削減をし、CO2濃度を450ppmに抑えられた)として、今世紀末には、洪水や高潮などで年間約13兆円の被害が発生すると予測しています。そのとき、たくさんの尊い命が犠牲になることも忘れてはなりません。


このように日米ともに温暖化の深刻な被害を予測している訳ですが、米国下院では、この報告書を受けるように米国の歴史上最も重要な環境とエネルギーに関する法案である「米国クリーンエネルギー・安全保障法案」を可決しており、地球温暖化防止に向けて連邦政府が大きく舵を切ろうとしています。


一方、日本の政治にはこうした科学の知見を活かす仕組みがなかったり、マスメディアが産業界の圧力で温暖化対策の足を引っ張るなど、欧米に比べると対応が遅々として進んでいないのが現状のようです。


日本の環境技術や日本人が本来持っていた精神性など、これからの世界をリードする資質があるのに、とてももったいないことです。いずれ外圧により対策を打つことになるのでしょうが、そうなる前に自らの決断で困難に立ち向かって行く日本であってほしいと願わずにはいられません。